プライム銀座クリニック

ストレートコグスレッドリフト

Q

ストレートコグスレッドリフトはどのくらい持続しますか？

A

ストレートコグスレッドの効果については、一般的には「糸で引きあげて固定するけれども糸が溶けていって徐々に戻る」と理解されている印象がありますが、正確には少し異なります。

ここでは、個人差が少ない部分のみ説明します。個人差が大きい部分についてはカウンセリングでご説明いたしますので、ご相談ください。

【術直後】スレッドを挿入すると、コグがひっかかって引上げるようなリフト効果があります。直後から１週間後にかけてはこの変化が目立ちます。スレッドを挿入しているところの肌に触れるとひっかかっている感じが強くあり、ややひきつれた感じに見えることもあります。

【回復期】その後１週間から１カ月後にかけて、コグの先端から徐々に溶けて吸収されます。その過程で引き上げの力を徐々に感じなくなります。ひきつれた感じもほとんどなくなってきます。引っかかっていたトゲトゲが溶けてきているので当然です。当然のことなのですが、術直後の引き上りがスレッドリフトの効果であると誤解していた方は、この時点で、「〇〇年もつって言われたのに、糸が外れて／切れて／溶けて効果がなくなった」という感想を持ちます。

このような「残念な誤解」がどこでどのように生まれるかについては、ここで詳しくは触れないことにして、スレッドを挿入したその後についてもう少し説明を続けます。

【瘢痕形成】コグスレッドは、コグの先端が溶けて引っ掛かりを失い始めますが、溶ける間に炎症などの生体反応によって、瘢痕組織を形成していきます。１本の糸が溶けてできる瘢痕組織はもちろん線状ですが、スレッドのデザインによってはメッシュ状（面状）の瘢痕組織です。この組織は皮下脂肪組織に比べて少し硬い線維組織です。これができ始めると、ある程度のリフト効果を維持したまま糸の吸収と瘢痕形成が進みます。これがその後のリフト効果の維持のキーポイントのひとつです。

【効果の維持】もうひとつのリフト効果のポイントは、「瘢痕組織のボリューム」です。わずかではありますが、糸が溶けるあとに残る瘢痕組織にはボリュームがあります。その部分がすこし膨らむことによって、顔のボリュームバランスが上方にシフトします。リフト用のスレッドを挿入するのはほほの上部が多いのですが、その部分がわずかに膨らむことによって、立体的にリフト感がでます。この効果は「引き上げ」に比べると見た目にはマイルドな変化ですが、持続期間はかなり長く、具体的な根拠はないのですが、感覚的には数年と言っても嘘ではないように感じます。

以上の観点から正確に理解するならば、「最初の１週間くらいの引き上げ」はむしろ誤解を生む副作用のようなもので、１か月後くらいのおちついた状態というのが本質的に持続する「リフト効果」であり、その間の瘢痕形成がその後数年にわたって肌のたるみの進行を遅らせるように影響する、というのがある程度正確な理解かもしれません。

最後に個人差について少しだけ触れておきます。実際の施術に際しては、それぞれのたるみの具合や骨格に応じてスレッドを挿入するデザインを工夫するのですが、その個人差に合わせて施術を行う医師の技量がひとつ、もうひとつはある程度年齢の要素です。経験上、３０代でスレッドリフトを始められて、数年に１回くらいの頻度でこのような施術を計画的に受けられている方の満足度は非常に高いですが、「結構たるみがひどくなって、もうリフトするしかない」という気持ちでスレッドリフトをお受けになった方の満足度は前者ほど高くはありません。これは担当医師の説明がどれほど正確であったかや、施術のデザインなどにもよりますので、経験の乏しい（あるいは無責任な）医師やスタッフには「個人差」という表現でまとめられてしまう傾向があります。当院ではスタッフの教育の方針もこの考え方で行うのですが、すべてのスタッフが完璧に理解しているわけではありません。お察しいただいて直接医師にご相談ください。

ここまでの話は「〇〇年もちます」というキャッチーなフレーズに比べて理解は難しいかもしれませんが、個別要因についてはカウンセリングで診察の上で丁寧にお伝えいたしますので、リフトに興味がある方はご相談ください。。