Columnコラム

ヒアルロン酸はどれくらい持続しますか? 更新日時 2023/11/07 09:41

読む時間の目安 5~6分

患者A

ヒアルロン酸の注射って、結構早くなくなったっていう人いるじゃないですか。実際どれくらい持続するものなんですか?

医師

ヒアルロン酸注入の持続ですね。持続はメーカーの報告を信じるなら1年~2年といったところでしょうか。アラガン社が米国FDAに提出したデータの論文では、ジュビダームウルトラ/ウルトラプラスは12カ月後でもほうれい線の改善がみられていた人の割合が75%だったそうです。

患者A

1年後で75%のひとで効果がまだあったってことですよね。じゃあ、それ以上持続しているはず、と。

医師

ですが、この治療では、1回の治療で1㏄の注入をして、必要に応じて最適な結果が得られるまで2週間のインターバルをあけながら最大2回までタッチアップ(追加注入)をしています。

患者B

そこまで徹底的に治療をしたら、そのくらい持続するってことですか。

医師

そうですね。でも一般のクリニックではそこまでの注入量で治療しているケースは少ないと思います。たくさん注入した場合にほうれい線が消えるだけならいいですけど、注入後にほうれい線の周囲全体にふくらみ自体が目立つことで印象が変わり過ぎることを心配する人が多いですから。

患者A

なるほど、じゃあヘンにならないように控えめに注入するだけなら、どれくらい持ちますか?

医師

これはすごく個人差がありますね。というのも、そもそもたるみがない骨格のためのほうれい線の場合には、2週間くらい経つだけで効果的とは言えない状態になる場合がありますから。逆にたるみによるほうれい線の場合には、効果は少なくとも数か月、適切にタッチアップすればその後1年から2年くらいは十分な効果が得られます。

患者A

ええ!?それは同じヒアルロン酸注入の治療なのに、人によって違い過ぎじゃないですか?

医師

だから、「個人差」なんですね。カウンセリングの診察では、ヒアルロン酸注入で大体どの程度の効果があって、タッチアップが必要かどうか、どのくらいの効果の持続が見込めるかなど、おおよそ判断ができますので、ぜひ相談してください。

患者A

はい、わかりました。

ヒアルロン酸が「吸収されてなくなる」と「効果がなくなる」は少し違う

 ヒアルロン酸の注入については、「2週間で効果がなくなった気がする」という人に時々お会いすることがあります。ですがその方が「特別な速さでヒアルロン酸を溶かして吸収する体質」というわけでもなさそうです。今回はヒアルロン酸の効果の持続と個人差について理解を深めたいと思います。

  ヒアルロン酸は注入後に少し変化する

 まず理解が必要なことは、「注入したヒアルロン酸はにじんで広がる」という事です。このため鼻筋に注入したヒアルロン酸は数日後には少し低くなって、再注入のたびに鼻筋を少しずつ太くしがちですし、ほほの高さを出すために入れたヒアルロン酸は何となく平べったく広がってしまって効果が落ちた感じがしやすいです。ほうれい線の場合には、笑う時の動きの圧力によって、ほうれい線に注入されたはずのヒアルロン酸の一部はほうれい線の外側に押し出されてしまいます。

  ヒアルロン酸注入後の変化は最初の2週間で起こりやすい

 そして次に理解するべきことは、「にじんで広がる」という現象は最初の2週間で起こりやすいということです。ここからは仮説ですが、2週間経つくらいまでは、ヒアルロン酸粒子がそれぞれの皮下のフリースペースに向かってにじんで広がっていきやすいですが、その過程で同時進行で徐々にヒアルロン酸粒子の周囲にわずかな炎症が起こることで再生組織の被膜を形成するはずです。そうして出来上がった再生組織が周囲を連結するためにヒアルロン酸粒子の可動性がだんだんなくなり、安定してくると考えられます。

医師

 これが正しい仮説であるならば、「ヒアルロン酸が2週間でなくなった」という声がちらほら聞かれるのは、「安定化する前ににじんで広がってしまった」ために起こっています。

注入したヒアルロン酸の安定化のために

 安定化できずににじんで広がることで効果が失われているならば、対策としては、

  • 押しつぶすような力が加わらないようにすること
  • 安全な範囲で硬さのあるヒアルロン酸を用いること
  • 適切なタイミングでタッチアップ(再注入)をすること 

があげられます。

  ヒアルロン酸を押しつぶさない

 ひとつ目の、「押しつぶさないこと」は、是非をまたない結論ですのでコメントは不要かと思います。強い力で触れないこと、うつ伏せで寝たりしないこと、サロンなどでフェイシャルのトリートメントなどを受けるときに注意してもらうことなどは必要だと思います。

  硬さのあるヒアルロン酸を用いる

 そしてふたつ目の、硬さのあるヒアルロン酸を使うことについては、粒子の荒いものほど移動しにくいので、やはり注入後の状態を維持するのには向いていると思います。ただし、目の下など皮膚の薄いところへの注入時は注入後にマッサージしてなじませるようにしないとでこぼこに見えてしまったりしますので、硬いヒアルロン酸は不向きです。

  タッチアップ(再注入)を適切に行う

 みっつ目の、「適切なタイミングでタッチアップ(再注入)をすること」に関しては、上述の会話に出てきたアラガン社の研究データでも、必要な方には2週間ごとに2回までのタッチアップ(再注入)を行っていますし、妥当な治療方針ではないかと考えます。1回目の注入後に周囲に広がりながら再生組織を巻き込むように安定化したところは、ヒアルロン酸粒子の可動性が悪くなっていますので、まさにそこに再注入することで注入個所は「にじんで広がりにくい」状態ですので、より効果的な状態で安定化することが見込めるはずです。これは多数のクリニックの先生が言うように、「何回か注入していると持続が長くなります。」という説明とも合致します。

診察で効果がどれくらい持続するか予測を立てる

 繰り返しになりますが、個々のケースでどのくらいの持続が見込めるかについては、カウンセリングではおおよそのところをお伝えすることができます。それまでの治療歴や注入時の状態、たるみがどれくらいあって動きがどれくらい強い部分か、注入量はどのくらいが適切か、などの複雑な要素を考慮して「効果の持続」の見込みを立て、さらにその方の期待度をお聞きした上でどの程度の「満足がどれくらい持続するか」の予測をしています。毎回この複雑さに内心圧倒されながら、誠心誠意でお伝えした時のリアクションがいまいちネガティブだと、まじめに取り組むことさえ無意味に思えてくることもありますが、プライム銀座クリニックではヒアルロン酸注入のように、一般的に簡単だととらえられがちな治療に関しても、売りっぱなしのような感じにはしないでここまで真剣に取り組んでいると理解いただけると幸いです。

 

医師

 会話の相談者のように、ヒアルロン酸注入の際には「効果の持続」に関して言及する方がたくさんいらっしゃいます。もちろん同じヒアルロン酸を注入したら、同じだけ効果が持続するならわかりやすく理想的ですが、これがなかなかそういうわけにいかないので、カウンセリングではその点についてじっくり見込みを聞いていただくといいと思います。

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