涙袋のヒアルロン酸注入の注入法・リスク・副作用・合併症について 更新日時 2019/03/11 12:37
読む時間の目安 6分~7分
涙袋のヒアルロン酸注入のデザインと注入法
涙袋とは
涙袋は眼輪筋という筋肉が動くときにふくらむ「力こぶ」のようなものです。子供のころからあった人もいれば、ない人もいたはずです。加齢とともに皮膚がたるみ、きれいなふくらみではなくなってきますので、自然な張りのある涙袋は若さの象徴でもあります。涙袋はまた、目を大きく見せたり、ほほなど「顔の余白部分」を小さくすることで小顔に見せる効果もあります。
涙袋の注入が適している人とそうでない人
デザインの前に診察で眼輪筋の動きを確認します。目の周りにボトックスを効かせている人はそのように教えてください。眼輪筋に力を入れた時に涙袋の下のラインが「キュッと締まる」場合にはきれいに仕上がりやすいので、ヒアルロン酸を注入することが適しています。眼球が突出気味で眼輪筋がきゅっと締まらない人や、目の下のふくらみを巻き込んだ大きな涙袋がもともとある人の場合には、締まりがないとヒアルロン酸がにじんで広がってしまうリスクが高いです。診察時に「きゅっと締まる」感じが出せなかった方は、診察のときにうまく眼輪筋が動かせなかっただけなのか、構造的に動かせない状態なのか結論が出ないので、ヒアルロン酸注入によって涙袋がきれいに維持できるかどうか、やってみないとわからない感じです。対策として、ヒアルロン酸の種類を硬いものにする場合もありますが、質感はちょっと違和感が生まれやすいかな、とも思います。明らかに目の下の眼窩脂肪が原因という場合には眼窩脂肪を適切に処理する手術が適応できる場合がありますので相談して下さい。
涙袋のヒアルロン酸注入のデザインと注入法
実際の注入は、座位でマイクロカニュレを用いて行います。マイクロカニュレを用いて注入するので痛みや出血のリスクはごくわずかです。目尻の下のところを少し氷冷してマイクロカニュレを挿入する穴をあけます。ここだけチクッとします。その目尻の下の穴からカニュレを目頭付近まで挿入して涙袋全体に1回で注入します。ごくわずかの注入でも変化がみられますので、何度も鏡で確認してもらいながら注入を足していきます。注入を足していく場合にカニュレを何回か目尻の下の穴から出し入れしますが、まったく痛みはありません。
従来の注入のように、シャープニードルで3、4か所刺入しながら注入していた時は、「ここちょっと足したい。」といわれるたびに尖った針を刺していたので、出血リスクは無視できなかったのですが、現在の注入法だとほとんど出血しないので、理想の状態が達成できるまで自由に注入を加えていけるので満足度が高い治療です。
涙袋のヒアルロン酸注入のリスクについて
内出血が出る
涙袋のヒアルロン酸注入の場合に出血することはまれですが、あるとしたらカニュレの挿入口にあたる目尻の1点くらいです。これは10~20人に1人くらい、片方の目尻の下にホクロくらいの青い出血班が見られるという程度です。メイクでカバーしていただいて、通常は数日でおさまります。治療後24時間以内は帰宅後も再出血のリスクがあります。もし内出血が多くなってしまった場合には、おさまるのに数日から1週間くらいかかることもありますので運動やカラダを動かす仕事、アルコールや長時間の入浴などを控えていただくほうが無難です。
アレルギーをおこす
ヒアルロン酸は本来人体に存在する成分です。ただし注入用フィラーヒアルロン酸の製品に含まれる架橋剤(ほとんどのメーカーではBDDEを使用)や保存料に対するアレルギーが数千人にひとりみられる場合があります。腫れ・赤み・かゆみなどの症状がある場合にはヒアルロン酸を溶解して、症状の強さによっては抗アレルギーのための治療が必要になる場合があります。
しこりができる
まず原則としてヒアルロン酸の注入に際して、どなたでもしこりができる可能性はあります。特に1か所にかためて打つ注入デザインの場合には量が多いと触れる感じのしこりになることがあります。涙袋のヒアルロン酸注入はごく少量ですし、カニュレで滑らかに線状に注入しますので、リスクとしてはほとんど無視できるレベルです。注入後にしこりができてもしどうしても気になる場合には、ヒアルロニダーゼの注射で溶解するとほとんど触れないくらいになりますが、目の下や頬、目の上など、付近のヒアルロン酸も溶解してしまいますのでご注意ください。
感染する
製品は十分な検査をクリアした安全性の高いものですが、皮膚や粘膜のの常在菌などが傷やにきびなどの皮膚バリアの乱れを介して体内に入り、ヒアルロン酸の注入部位に到達する場合があります。通常は正常な免疫力の持ち主であればは起こるものではなく、涙袋を含めて顔のヒアルロン酸注入で経験することはまずありません。
塞栓によって皮膚が壊死する
当院では注入時の塞栓リスクについて熟知した医師が注入を担当しますので安全です。技術的には針の先端が血管内に入った場合にそのまま注入してしまうと動脈の塞栓(詰まること)が起こり、血流を失った組織(皮膚・皮下組織やその他)が壊死する可能性があります。壊死した皮膚組織は適切に取り除かないと感染を起こして膿瘍化したりする危険性があります。涙袋へのヒアルロン酸注入は特別なリスクがある場所ではありません。
効果が足りない・早く減る
注入直後に鏡で確認していただいて、注入量が不足している場合には適切な量を追加していただくことが必要です。注入後2週間以内の変化は主にヒアルロン酸がにじんで広がることによっておこります。涙袋の場合には眼輪筋を動かす際に涙袋の下の「キュッとした締まり」がある人はその締まりによってヒアルロン酸の形状を維持しますが、その締まりがない場合には、自然ににじんでいくと高さを失うため早く減ったように見えやすいです。その場合には、短期間に追加注入を繰り返すと形が崩れた幅広の涙袋になってしまうリスクがありますのでご注意ください。
膨らみすぎ・でこぼこになる
注入直後にヒアルロン酸のふくらみによる凹凸が観察された場合、マッサージや追加注入によってその場で修正可能です。内出血で腫れて凹凸が見られる場合は治まるまで数日かかります。
それ以外でも、目の下を切開する手術(逆まつ毛の治療やたるみ取り、下眼瞼下制など)の後で傷痕の瘢痕がある場合には、瘢痕の部分だけ不自然に凹んだりすることがあります。これは通常、ヒアルロン酸の注入で適切に処理することは出来ません。どうしても気になる場合にはヒアルロニターゼの注射で溶解することが可能です。
ときどき腫れる
風邪をひいた時などに一時的に腫れたりわずかに痛みを感じたりすると、リピーターの方から報告いただくことがあります。風邪のように全身性の炎症があると、血管透過性が亢進して水分が血管から皮下組織へと漏れ出てきます。おそらくそれを保水力が高いヒアルロン酸がキャッチしてしまうことで腫れてしまうのではないかと推測します。体調が回復すると治まるようなので、その場合は心配ありませんが、あまり繰り返すとストレスですので、これが原因で溶解を依頼される方もいます。
溶解したあとたるみが強く感じる
何回かヒアルロン酸注入を涙袋に受けた方で、過剰な注入になってしまったと感じてヒアルロニダーゼの注射で溶解をした場合、涙袋周囲の皮膚がたるんだように感じられる場合があります。よほど無理な注入を繰り返して、皮膚が伸びてしまったと考えられます。注入は控えめに行って、たるみにつながらないように予防することが大事です。たるんでしまった皮膚は、目の下を切開してたるんだ皮膚を切除することで改善できますが、元通りになるわけではありません。
持続や再注入について
注入に適した眼輪筋の動きがあって、適切なヒアルロン酸を用いた場合、治療後1年以内に1度程度の再注入を経てその後かなり長期に安定した状態になるケースが多いです。眼輪筋の動きが制限されて「キュッとした締まり」がない場合には涙袋の形が崩れやすく、何度も再注入の相談にいらっしゃいますが、注入するたびに太めの涙袋に成長していきます。
おすすめのヒアルロン酸
笑った時に膨らみ、力を抜くと自然な印象に戻るような動きがシュミレートできるのが好みの方は、スタイレージSなど、特に柔らかなヒアルロン酸が適しています。
形状の維持が心配な場合にはより形成力の高いジュビダームウルトラやクレヴィエルプライムなどのヒアルロン酸がおすすめです。
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