【Dr.のホンネ】先生は気になりませんか?という質問への答えについて
- 更新日時 2019/04/15 04:24
治療を受ける方から、よく聞かれる質問についてお答えします。より具体的な、ためになる内容のものは「コラム」のコーナーをご覧ください。ドクターブログでは、医学的な観点からはかなり外れたごくごく個人的なしょうもないやりとりを紹介するものですのでご了解ください。
「先生は気になりませんか?」
「(私はこういう点が気になっているんですけど、)先生は気になりませんか?」と聞かれた時の答えについて解説します。この後の説明を理解しやすくするために、ズバッと前提となる考え方から言いますと、
- 「気にする」=「解決方法がある」
- 「気にしない(ほうがいい)」=「解決方法がない」
ということです。もうあとは読む必要はないかもしれません。気になりますね、と私が答えた場合には解決方法がありますが、気にならないですね、と私が答えた場合にはよい解決方法が思いつかないという場合が多いです。ですので、答えのパターンは単純になります。
①「やっぱり気になりますね。私もそう思います。」
明らかな美容的な欠点があって、それがイージーに解決できそうなときは、このような返事になります。このような返事のあとには解決方法についてのアドバイスがすぐに続くのでそれを聞いてもらえればいいと思います。解決方法は第一選択のものからその他の選択肢にわたって説明することが多いですが、第一選択によって問題が解決する確信度は90%以上はあると思っていただいて大丈夫です。
②「よほど気になるなら、治療してみましょうか。」
それほど明らかでない美容的な欠点がある場合にこのような答えになります。改善すべき欠点がわずかなのでリスクをかける治療はすべきではありません。したがって、提案する解決方法の選択肢は限られます。一時しのぎの解決方法でしかないことや、安全な範囲で治療を行うことなどがちゃんと理解できるインテリジェンスの高い方の場合は具体的な治療を提案します。治療による解決の確信の程度は70%~90%というところです。
③「気にするほどではないと思うのですが、気にし過ぎではないですか?」
どう見てもはっきりしない左右差を気にされている場合など、結局どうなったら満足が得られるかがいまいちわからない場合などにこういう答えをする場合があります。カウンセリングのなかでいくつかの低リスクな治療法を提案して、ご本人の気持ちに沿える選択肢があった場合には治療をする場合もあります。治療による解決の確信度はこの返答の時点では50%くらいじゃないかと思います。
④気になるのは分かりますが、改善するための治療にはリスクがあります。
ある程度はっきりした美容的な欠点があるけれども、治療によって解決するためにはリスクや不確定な要素が多い場合にはこのような答えをすることがあります。私がリスクについて事細かにわかりやすく説明する場合には、むしろ見込みがよいです。改善という意味ではほぼ100%、解決という意味でも70%以上の確信度があれば、私は饒舌に語りだすでしょう。
逆に、同じような答えでも、具体的なリスクなどを事細かに話し始めない時はあまりその治療に前向きではないということを意味します。治療に際して理想と常に100%の一致を要求する方や、治療に伴うリスクや不確定な要素について話をしても理解が得られないようなちょっとリテラシーの低い方にはそのような感じで当院での治療をあきらめていただく、という方針によるものです。
⑤客観的に見て気にする必要はありません。それよりもっと気にすべき点があります。
笑ったときにふくらむとか、下を向いたら影が出るように見えるとか、通常は単独で治療対象にはならないことを気にしている場合には、そもそも満足できる解決方法がないので、気にするメリットはお互いにありません。そういう意味で、「私には」気になりません。ただしコストを気にしない方の場合には提案する低リスク治療もありますが、もっと解決するべき点がある場合にはそちらをご提案します。
他院での治療後気になった、という場合
他院での治療後に気になったという方の場合には、解決の難易度が1ランク難しくなります。ですのでちょっと慎重な答えになりがちです。コミュニケーション能力の高い人はそこのところのホンネをうまく理解していただけますが、そこまでではない人も多いです。これが対人サービスの難しいところだと感じます。
まとめ
いかがでしょうか。私は、「先生は気になりますか?」と聞かれたときには頭の中でこういうことを考えています。必ず解決手段とセットにして考えたうえで返事を考えていますが、オトナのウソが混じるのは、いつものことですのでご容赦ください。