Columnコラム

プライム銀座の「引っ張らない糸リフト」ができるまで 更新日時 2023/12/12 18:24

読む時間の目安 15~20分

糸リフトの新しい常識をお伝えします

 たるみ改善・リフトアップの相談を受けていて、「先生の話が今までで一番よくわかりました。」と特に感心されるもののひとつが糸リフトの話です。

 キーコンセプトとしては「引っ張らない」なのですが、ちゃんと理解しようとするとカウンセリングの時間だけでは短くて要点しか話せないこともあるため、補足事項も含めてあらかじめ詳しく書いておけば、より深く理解していただけると思いました。私自身の経験に基く考察が理解のカギになるため長文になるかもしれませんが、なるべくわかりやすく書いてみますので、たるみ治療の選択でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

 「糸リフト=糸で引っ張る」は間違いだった

 実際のカウンセリングでもまずこのことからお話ししています。「糸リフトって、とげとげのついた糸を使って、ひっかけて引き上げるものだと思っている人が多いですが、それがそもそも間違いなんです。引っ張ることには大きな意味はないんです。」と。

 「糸リフトといえばひっかけて引き上げるもの」と普通は誰もが常識のように思っていますので、それが実は間違いだというお話から始めようとすると、多くの方は目を丸くして驚かれます。一部の、糸リフトを受けたことがある経験者のかたの中には「やっぱりそうですよね。糸リフトでいくら引っ張っても、(糸リフトそのものが)意味ないんですよね。」という感じのいかにも納得したようなリアクションをいただくこともありますが、糸リフト自体に意味がないという理解もまた、正しくはありません。

 そこで改めて、今回のコラムを読むことで理解いただける内容を整理いたしますと、

  • 引っ張っても引っ張らなくてもリフト効果に大差がない理由
  • 糸リフトのリフト効果はどこまで期待していいか
  • 引っ張らない糸リフトの満足度が高い理由

の3つです。これら3つについて理解するために、まずはどうしてこういう理解に至ったのか、私の経験を含めて順にお話いたします。

糸リフトそのものをやめてしまった理由

 美容外科になってそれなりにいろいろな手術ができるようになってきたある時に、糸リフトの施術を提供することに絶望して、やめてしまった時期がありました。なぜそうなったのかという理由とともに、その時から現在に至るまでの糸リフトの問題点をまずお伝えします。

 私が「駆け出し」の美容外科医だった10数年前には、私はある大手の美容外科クリニックグループに在籍していたのですが、その時初めて糸リフトを見たときの話です。そのとき使っていたものは「〇〇リフト(すいません、ネット上では具体的名称は伏せさせていただきます)」というものでしたが、こめかみの骨膜上にU字にひっかけてしっかり固定された糸をフェイスラインに向けて伸ばして入れて、ぐいぐい引っ張るというものでした。使っていた糸も今から考えるとかなり太くて柔軟性が乏しく、コグと呼ばれるとげも鋭くとがっていて、いかにも「引っかけて引っ張ります」と主張しているような、痛々しい見た目でした。執刀医の手のクセにもよりましたが、しっかりと引きあげるため術後にキツネのような吊り上がった顔貌になったりすることが多かったです。糸自体の太さのためひきつれもでやすく、こめかみの骨膜にかけた糸がかなりの痛みを与えたり、髪の毛を巻き込んで感染を起こしたり、感染がひどくなってこめかみに円形脱毛ができたり、様々なトラブルもあった治療でした。

 それでも肝心のリフト効果さえ満足できる程度得られるのであれば、多少のリスクはかける価値があるというもの、だと思いきや、その肝心のリフト効果ですら期待したほどではなく、たいていのケースで「1か月もしないうちに戻った。どうしてくれるんだ。」と言われてクレーム対応に追われる始末でした。

 そのような少し期待外れな感じのあった糸リフトでしたが、経営者の方針で「それを売って稼ぐ」と決めたらそれにまい進するのが企業です。全国展開する各院およびその院長には糸リフトのノルマや売り上げの目標が設定され、毎月の売り上げ実績で露骨に給料が変わりました。それも医師だけではなくスタッフの給料までも、所属する院の売り上げ実績によって変動したため、売り込みに積極的でない医師はスタッフからも白い目でみられたりしたものです。医師もカウンセラーも、来院予定の予約表とその日の売り上げノルマの残りを見て胸算用するのが毎日のルーティンのようなものでした。来院者がそれぞれに持っていたはずの来院のきっかけや主要な悩みなんかにはほとんどお構いなしで、いかに会話を誘導して糸リフトの売り上げにつなげるか、というスタンスでカウンセリングに臨むのが習慣でしたし、そのためのコミュニケーションのレクチャーやワークショップも頻繁に行われていました。

 その結果、「売り上げを上げるテク」みたいなものがすごい勢いで目覚ましく進化していったのを目の当たりにしつつ、それに対して実際の効果はいまいち伴わなかったという実感もありました。こんなことを続けていたらいつかお客さんは来なくなるんじゃないか、と心配になったものですが、大手美容外科ならではの派手な広告宣伝の効果もあって、毎日のように多くの来院者がいらっしゃって、その方たちにいかに糸のリフトを売っていくか、そのことだけに明け暮れた日々でした。

 そして「破滅へのカウントダウン」が始まります。カウンセリングでの営業の仕方は次第にヒートアップしていきました。若返り効果や持続期間を「盛って」話すことなんかは当たり前で、効果はマイナス5歳→10歳→20歳、持続も年→2年→3年、と「効果と持続期間のインフレ現象」は加速しました。さらには眉間のしわ寄せにも糸リフト、ニキビにも糸リフト、となかなかにトリッキーな売り方を新たに「開発」する医師やカウンセラーが現れて、ちょっとそこまで行くと詐欺に当たるのではないかと心配になったため、企業内で自分の立ち位置にも悩みました。企業の示す「成功の方程式」のようなものに沿って糸リフトを詐欺まがいな手法で売っていき、売り上げ実績を上げてのし上がっていくことは自分にとってちょっと難しい。ただ、それをやらないと院内スタッフからもお荷物扱いされて立場が全くなくなってしまう。糸リフト以外にも学ぶべきことはたくさんあるので、それがあるうちは何とか居場所を作る必要がありました。そのようなジレンマをかかえながら、それでも何か自分なりに貢献できる仕事がないか考えた結果、だれも好まない仕事であるクレーム対応の仕事を積極的にするようになりました。そうすることで、売り上げを上げないながらもスタッフからの信頼をなんとか獲得していったという感じです。そのころは毎日5件から10件の糸リフトを主に院長が施術して、毎日2,3件以上のクレーム対応がありましたので、それらの対応の最前線にたつことで、自分の存在が認められるだけではなく、それをきっかけにして糸リフトの医学的・技術的な問題点や改善方法を意識して考えたりするようになりました。

 そのように、売り上げに大きく貢献できないながらも重宝されるポジションで、いってみれば「糸リフトの研究」のような仕事をしばらくしていましたが、やはり糸リフトを詐欺的手法で売って稼ぐという極端に偏った企業方針から解放されたいという気持ちが強く、そこでの仕事から新しく学ぶことがなくなってきたタイミングで開業独立を決意しました。糸リフトに関しては、それまであまりにも多くのクレームに触れたせいか、開業の時点では「糸リフトは多少の利益にはなっても、自分の責任で胸を張って売ったりできるような価値の高いものではない」と感じていましたので、開業当初はメニューにも加えておらず、その後もやるつもりがなかったことはよく覚えています。糸リフトは初心者の先生でもできますし、同じ土俵にあがって戦うのは逆に自己のブランディング上よくない気がする、という見栄はりな気持ちも少しあったと思います。とにかくいずれにせよ約10年前に開業した際に、糸リフトはいったんやめてしまったのです。

左右差のクレーム対応からの気づき

 このように、自ら売ることはやめてしまった糸リフトですが、大手美容外科で約3年にわたってクレーム対応に明け暮れた「糸リフト研究」は結果として貴重な洞察を与えてくれました。それは、「糸リフトの実際の効果」についてです。目も当てられない合併症のケースを除けば、「効果がない」「すぐ戻った」というパターンのクレーム対応は、丁寧に観察すれば実際の効果について知ることができるよい機会でした。観察の結果どうやら糸リフト後は1か月以内にかなり引きあがりの効果を失うようですが、「完全に」元に戻るわけでもなさそうで、「ある程度」の効果はやはりあって、それは写真で比較して見れば「それなりに」わかるものでした。

 それでは当時、そのことについてどのように言語化していたかというと、「かなり戻るが完全に戻りはしない」とか「ある程度の効果がある」とか「それなりにわかる変化」とか言ってしまうと全く売れるわけがありませんから、そういうことをしていると現実的にクビになってしまう恐れがありましたので、クレーム対応を始めた初期のころは、「術後1か月ごろに50%くらい戻りますけど、だいたいそこで安定化します。」という言い方をしていました。今となってはまだまだ正確さに欠ける気もしますが、当時はそれでもまだ誠実なほうだったと思います。

 さらに多くの症例を丁寧に観察するうち、あるパターンに気づきます。そのパターンとは、術後に左右差が目立ったケースです。直後から左右の引き上りが違って見えるケースもあれば、直後は左右がほとんど同じだったのに帰宅後に片方だけ引っ掛かりが外れて落ちてしまったケースもあります。左右の引き上がりが大きく違うと見た目にかなり不自然なので、本人は当然のこと、担当医ですらもすごく不安になることが多いですが、それらの左右差は必ずと言っていいほど1か月程度の時期にはほとんど同じになっていました。つまり、「引き上げたほうと引き上げないほうで、1か月後のリフト効果に差はなかった」ということが、左右差の観察を繰り返すことで分かってきたのです。その時はまだはっきりと意識はしていませんでしたが、ここが「引っ張らない糸リフト」の始まりでした。

 実はこれはわかる人には当たり前の話で、糸リフトは原則溶ける糸を使います。とげとげの部分をコグと呼びますが、コグも同じ素材でできています。とげ(コグ)は先端が細くて根元が太い形状をしていますがつまり何が言いたいかというと、とげ(コグ)は先端から溶けていくので、引っかかりは糸全体が溶けてなくなるよりもずっと早くなくなるということです。ほとんどの種類の糸で、1か月もすれば引っかけた効果は失われます。「引っ張ることに意味はない」が正しいということは、こういったことからも理解しやすいと思います。

糸リフトの限界に達した症例からの気づき

 その時点で「引っ張らない糸リフト」のコンセプトの中核はそのとき確かに自分の中に芽生えていたのですが、雇われ医師の身で勝手なこともできず、その後独立したとはいえ開業したばかり。しばらくは何もかもが手探りで、クリニック運営のストレスがすべてを支配していたと言っても過言ではない状況でした。手慣れた施術でさえ手につかないような感覚に襲われ、新しい概念の治療をどうこうするような余裕はほとんどありませんでした。

 そうこうして開業して1年ほど経ち、やっと慣れてきたなと感じて少し余裕が出てきました。そうして、通院されている方やそのご紹介で来られる方からの「先生はなぜ糸リフトやってないのですか」「今後もやってくれないのですか」というお声にそろそろ応えないといけないという気持ちが少しずつわいてきました。そうした時期を経て自分なりの糸リフトのコンセプトを練り直して再開に至るのですが、直接のきっかけは、とある来院者のかたの相談でした。その方は糸リフトを希望されていました。

 その方の希望は糸リフトとお伺いしたのですが、年齢はおよそ55歳、痩せても太ってもいない平均的でたるみの少ない顔立ち、目の周りとおでこと口元に細かいしわはありましたが、総じて若く見える印象でした。

 「糸リフトをご希望ということですが、たるみはほとんどないようにみえます。何か改善したいポイントなどありますか?」と聞いてみると、「全体的に若々しい印象にしたいのですが、前回やっていただいた先生はあまりうまくなかったようで、あんまり変化がなくて、知り合いに先生のことを紹介してもらったんです。」ということでした。さらによくよくお話を伺うと、糸リフトはなんとすでに7回も受けていらして、あまり変化がなかったという前回の施術はたったの1か月前でした。さすがに引き受けるわけにもいかないと思ったのですが、診察するうちにあることに気づきました。1か月前に入れたという糸の状態がどのようになっているかを確認しようと触れてみて驚いたのは、その周辺の皮膚が全くと言ってもいいほど動かなかったのです。その何がおどろきだったかというと、通常の糸リフトの術後であれば1か月以内は、糸を入れた部分の肌はとげとげで引っかけて支えている状態ですので、触れて下に向かって抑えても下にはほとんど動きませんが、上に持ち上げるように触れると、それなりに動くものです。ですがその方の肌は、下へはもちろんのこと、上にもほどんど動くことがなかったのです。それなりに経験を積んでいた私は、触れた硬さは繰り返す糸リフトで出来た瘢痕組織による癒着によるものだと直感し、同時に、ここが糸リフトのたどり着く境地であり限界なのだと悟りました。

 その方には、診察の結果をありのままにおつたえしました。

  • 糸リフトを繰り返し受けたことで、その部分はかなり硬く瘢痕化して、上にも下にも動かない状態であること
  • その瘢痕は追加で糸を入れたとしても引きあげることができないほど硬くなっていること
  • つまりここが糸リフトの限界点であると思われること

 1か月前の糸リフトが効果的に感じなかったのは、担当医が下手とかではなく、糸リフトの施術で効果をだすことの限界が近いせいだということを理解していただきました。結局頬・こめかみ・法令線へのわずかなヒアルロン酸注入、フェイスラインへのHIFUの治療、肌の細かいしわに対するPRPの水光注射などをご提案し、通院しながら順に受けていただき、十分満足していただくことができました。

糸リフトの「1回の効果」と「何年持つのか」

 さてここまで、経験からの気づきによって、糸リフトでは引っ張らないでいいこと、効果に限界があることはわかりました。ただ、カンのいい方はすでにお気づきかもしれませんが、このコラムをここまでお読みの皆様にとって肝心の内容がまだ未解決です。つまり、「1回の治療でたるみはどこまで減るのか」、「何年後にまたやるのか」といった切実で現実的な問いに対する答えです。ここからそれらを順に説明します。

 まず、糸リフトで改善する「たるみ」とは具体的にどういうものかということを理解するために、皆さんには仰向けになって鏡をみていただきます。実際にやっていただいてもいいですし、経験上どうみえるかを想像していただけるならそれでも大丈夫です。少しリフトアップしたように見えるのではないでしょうか。そしてさらに、これは難しいので実際にはできないと思いますが、逆立ちして鏡をみてみます。引きあがった、を通り越して吊り上がったような顔になると思います。この皮膚の動きの大きさが、「たるみ」です。仰向けの状態がニュートラル(真ん中)の状態で、起きた状態と逆立ちの状態はそれぞれの方向へのたるみを見ています。よく動く方はたるみが大きく、あまり動かない方はたるみが小さいと言えます。

 ここで7度にわたる糸リフトで効果の限界を迎えた方の症例を思い出していただくのですが、糸リフトの糸は溶けながら炎症を起こして瘢痕化し、皮下を動かなくしていきます。つまり、糸リフトを1回受けると少し硬くなってたるみが減ります。それを繰り返してついに全く動かなくなった暁には仰向けの状態(ニュートラルの位置)が固定される、というイメージをしていただくと、大きな間違いにはならないと思います。

 では何回の施術をすれば、その状態になるのか、というのが気になるところですが、先ほど紹介した症例は7回目を受けたが「効果がなかった」と相談に来られましたので、おそらく6回目までは効果があった、つまり改善すべきたるみが残っていたけれども、6回目が終了して限界を迎えたと考えられます。ではみなさんが6回なのかというと、そうではありません。経験上で恐縮ですが、これには個人差があります。その個人差をある程度理解しやすい言葉に落とし込むとすると、若いころ顔の脂肪が多かった方はたるみが多いので必要な回数も多くなり、若いころからやせ型で顔の脂肪が少なかった方はたるみが少ないため必要な回数も少ない、という感じです。それを前提に、私のカウンセリングではいつも、「顔の脂肪が若い時に多かった人は3回~5回、痩せていた方は1回から3回くらいやることをイメージしていただいているとおおよそ間違いがないと思います。」とお伝えしています。

 説明が長くなったのでここまでの話をまとめてみますと、若いころぽっちゃりだった人は、3回~5回くらいの施術で仰向けの状態の固定を目指す、若いころからやせ型だったたるみの少ない人は、1回~3回でそれを目指す、ということになります。

 そして、1回目の施術の後、2回目はいつごろがいいのかという問題が残っていますが、これに関しては、1年おき、2年おき、3年おき、それぞれにメリットもあればデメリットもありますので、それについて説明します。

 まずそもそも、糸リフトで目指す完成系は、こめかみから頬の側面にかけて十分な瘢痕による癒着によって固めてしまうことです。であるからには、できる限り多くの糸を1回で入れてしまって癒着を高密度に作れば3回とか5回とか言わずに1回で終わらせることができるはずです。理論的にそう考えて、1回に糸を片方で16本入れたこともあります。縦・横・斜めの方向にまんべんなく割り振って、均一に癒着するように入念にデザインして行ったのですが、それでも術後のひきつれが目立ってしまってなかなか戻りにくいという結果になってしまいました。そういう術後のトラブルは、少ない本数の施術ではほとんど起こりませんので、だんだん1回で使う本数の平均は減らしていて、今では「片方で6本」というのがスタンダードです。皮膚にある程度の厚みがあってひきつれが出にくい方の場合に片方で8本のデザインにすることもありますが、現在は7、8割くらいの方が片方6本のデザインで行っています。ですので先ほどの「顔の脂肪が若い時に多かった人は3回~5回、痩せていた方は1回から3回くらいやると満足度が高いと思います。」という言い方は、このくらいの本数の治療の場合、という意味になります。

 そして、「何年おきにするか問題」ですが、ここまで理解いただいた方はもう、糸リフトは「効果を積み重ねる」ものであって、「効果がなくなったタイミングで再び行う」というものではないことは理解できていらっしゃると思います。であればなるべく早く回数を重ねて完成系を目指すのもよし、たるみが増えたと感じたその時々に少しずつ改善する変化を楽しむのもよし、という感じでどういう方針で取り組むかは自由だと思います。ただひとつ言えるのは、1回で片方に16本入れた症例の方のときのように、完成を目指すことを急ぎすぎるとひきつれがでやすいかもしれないので、1回の施術ごとに6か月程度のインターバルがあったほうが、前回の糸がおおよそ溶け切った状態で臨めるのでより安全だと思います。

「引っ張らなくていい」から「引っ張ってはいけない」への進化

 ここまでかなり長いですが、皆さん理解してついてきていらっしゃるでしょうか。一言ずつでまとめると、

・左右差の症例の経過をみる限り、引っ張っても引っ張らなくても、とげ(コグ)が溶ける1か月後には結果はほぼ同じである。

・7回目で効果の限界を迎えた症例からわかるように、糸リフトはある程度回数を重ねることで、仰向けの状態で固定されることを目指すものである。

という内容に集約されます。効果を高めるには単純に糸の本数を増やして癒着の強度を高めていくしかなく、小手先で引っ張った効果というのは、とげ(コグ)が溶ける1か月たつころまでになくなってしまいます。ここまでの話を本当の意味で理解したうえで糸リフトを受けるならば、術後に「効果に関して」不満に感じることはないでしょう。「効果に関して」とわざわざ言うのは、術後の不満の原因は効果に関するもの以外に、合併症やダウンタイムのストレスなど関するものもあるからです。糸リフトをプライム銀座クリニックで提供するにあたっては、大手美容外科時代のようにクレーム対応に忙殺されるわけにはいかないため、合併症やダウンタイムのストレスを最小化することは、重要な要素でしたので、これに関しても徹底的にこだわりました。

    出血と腫れ 

 まずは針穴を髪に隠れる部分だけにすること、なるべく少なく減らすこと、ということを意識しました。糸をいれるための穴は1穴にすることも検討しましたが、糸の配置に偏りがでてしまって求める均一なリフト効果が得られないため、バランスよくするため3穴にしています。糸の挿入に使うカニュレは先端が丸くなっていて挿入時に出血しないように工夫されたものを使用しています。

    術後に痛みや違和感が続く 

 とげ(コグ)の先端がとがりすぎていると溶けるまでの数週間ですが痛みの原因になりやすいため、先端がとがりすぎないような糸を独自に製造して使用しています。糸の固定は皮下で行い、骨膜など痛みを伴う部分への固定はしていません。また、口元など表情でよく動く箇所への挿入は糸が突き出てきたりするリスクがあるため原則として行わないようにしていて、もし動きを伴う箇所への挿入が必要なケースではPCLなど素材自体が柔らかくて肌が動くときにも動きにフィットするような素材の糸を使用するようにしています。上顎と下顎にまたがって糸が入るため、大きく口を開ける動作で突っ張ったり違和感を感じたりしますが、これだけはデザイン上なくすことが難しく、改善には1、2週間ほどを要します。ただし、「引っ張らない」ことでこの突っ張りはかなり少なくて済みますので、「引っ張らない糸リフト」はこういった違和感を減らすことにも貢献しています。

    感染 

 通常は、感染の原因は髪の毛の巻き込みです。施術は徹底的に髪の毛の巻き込みに注意して行います。もちろん、それ以外の原因でも感染が認められた場合は迅速に対応いたします。

    ひきつれや凹凸、糸の透けなど

 「引っ張らない糸リフト」を始める前の大手美容外科時代は、いかにしっかり引き上げるかが工夫の焦点になっていたため、なるべく浅い層をひっかけることでいかにも引きあがったように見せることを意識していました。それによりひきつれや凹凸、糸が透けるなどのリスクは常に隣り合わせであったと思います。プライム銀座で行う「引っ張らない糸リフト」ではそういった「見せるためのパフォーマンス」的な要素は一切排して、糸リフトの本質的な効果を出すために必要最小限なリスクをとるようにしています。結果的に、「引っ張らない糸リフト」は「引っ張ってはいけない糸リフト」と言ってもいいくらいだと思います。

高澤が施術時にこだわること

 カウンセリングでの理解が最重要の要素であり、高澤が最もこだわるポイントです。理解いただくべき内容を一言でいうと、「我々はベストを尽くします。」ということです。それは、効果を最大化することに関するものであると同時に、一時的に効果を見せるためだけのパフォーマンス要素を排してリスクを最小限にする、ということに関しても同様です。また、効果に関して誇大な表現で期待させたりすることで無理やり施術を受けさせようとすることもありません。今までの豊富な経験をもとに、期待できそうな結果をかなりの精度でお伝えできると思います。そしてそれは、満足できるリフト効果のために、糸リフト以外の施術を併用する必要性などについても含みます。糸リフトはたるみ治療の中でもかなり重要なものですが、それだけがすべてを解決するものでもなく、他の施術と適切に組み合わせることでよりバランスの取れた結果を生むと考えていただく必要があるのです。

 その他、施術に関してのこだわりの一例をあげると、術後のダウンタイムのストレスを最小化するための工夫があります。ひきつれ、左右差、違和感などはすべて術後の不満の原因になりえますが、こういったことは「しっかり引っ張ろうとする取り組み」によって起こりやすいです。ですので「引っ張らない糸リフト」はそのコンセプトそのものがダウンタイムのストレスを減らすものであると同時に、プライム銀座ではさらにそれを突き詰めて施術を行います。施術は仰向けの体勢で行いますがその体勢の時の肌の状態こそが糸リフトの究極の目標なので、糸を挿入したときにまったく引っ張らなくてもよいはずですが、帰宅後に一部外れたりするリスクなどを考慮して5㎜程度の引き上げをしておくようにします。これにより帰宅後の外れてしまったりするリスクもカバーしながら、不自然で無意味な引き上げやひきつれのリスクも最小限にする、というふうに細やかに配慮して施術を行います。

 ここで書ききれないほどのこだわりの詰まったプライム銀座の「引っ張らない糸リフト」に興味がでたという方はぜひ高澤のカウンセリングにお越しください。

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