Columnコラム

【医師との会話】目の上のヒアルロン酸注入はすぐなくなったりしないですか? 更新日時 2023/12/24 09:44

読む時間の目安 10分~12分

患者A

先生、1か月くらい前に別のクリニックで目の上のヒアルロン酸に注入してもらいましたが、1週間ほどで効果がなくなってしまって、どうしたらいいか相談したいのですが。

医師

1週間ですか。それは気の毒としか言いようがないですが、担当医に直接相談してみましたか?

患者A

それなんですが、電話でアフターケアについて相談したいというと、「ちゃんと注入しているのでヒアルロン酸は残っているはずです。効果はどうしても個人差があるので、効果が足りないということであればもう一本ご購入いただく必要があります。」と言われてしまって。

医師

なるほど、担当医がそんな感じでしたら、もう続けて相談する意味はないかもしれませんね。それでしたらこちらでご相談伺いましょうか。

患者A

先生、やっぱり、そのときに選んだヒアルロン酸が安かったせいかなって思ったりするんですが、それも関係ありますか?

医師

それは、、、あるかもしれませんし、ないかもしれません。

患者A

先生に入れてもらっても、またすぐなくなったりしますか?

医師

そういうことはないので心配しないでください。ではその前にまず、その注入したヒアルロン酸がどういう状況になっているか確認してみましょう。それによってはなぜすぐ効果がなくなったのか、ということがわかるかもしれません。

患者A

はい、お願いします。

医師

では仰向けにしますね。目を閉じてください。眉を引っ張り上げますが、目は眠るときのように力を入れずに閉じたままにしてください。あーなるほど、ハイわかりました。

患者A

え?ヒアルロン酸はまだあるんですか?

医師

ええ、ありますね。鏡をお持ちください、お見せします。左側の眉を引っ張り上げると、目の上の窪みのところの皮膚が動いて、ちょっと不自然なふくらみがそこに残っていることがわかりますか?これがおそらくその時注入したヒアルロン酸ですね。

患者A

確かにまだありますね、でもすっごく速く減った気がします。入れたときだけ結構いいかなって思いましたが、数日で「あれっ?」て感じで1週間後にはほとんどなくなった、みたいな感じでした。

医師

なるほど、原因は注入した場所がイマイチだったということだとおもいます。きっとその先生はカニュレとかを使わずに直針で1、2か所刺して注入したのではないですか?

患者A

そうです、そうです。でも、それが原因?ヒアルロン酸の種類とかが原因ではないのですか?

医師

簡単に言うと、目の上にヒアルロン酸を注入するときには、眼輪筋の表と裏のスペースのどちらに注入するかによって、結果が全く違います。なぜかというとヒアルロン酸は眼輪筋をほとんど通過しないからです。ヒアルロン酸は皮下脂肪のような疎なスペースへ浸潤していくことで「吸収」されて無くなったように見えることが多いですが、まぶたの眼輪筋の表側に入れたヒアルロン酸は眼輪筋を通過できないのでどこにも行くことができず、その場にとどまり続けます。そうするとその場所に安定してとどまり続けるため効果が長い、ということがわかると思います。

患者A

へー、そうなんですね。

医師

一方で、眼輪筋の裏側にはROOFと呼ばれる脂肪層があり、その奥には眼窩脂肪があります。それらに入ったヒアルロン酸は、注入直後はある程度の効果があった場合でも、徐々にそれぞれの脂肪層内にいきわたるように浸潤していって、かなりの程度効果を失います。

患者A

それで効果がなくなったということですか。じゃあ前の先生はどうしてそんな打ち方したんでしょうか。なにか理由でもあったんでしょうか。

医師

裏側に打つほうがデコボコしにくいですし、簡単で手早く注入できるということはあると思います。ただ、直接の理由は担当医本人でないとわかりませんし、それを聞くことは現実的に難しいでしょう。

患者A

先生は表側に注入しますか?

医師

そうですね、表側の注入はうまくやらないとデコボコしやすいのですが、まずは可能な範囲で表側に注入します。これ以上入れるのは変なふくらみに見えてしまう、という限界が来たら裏側への注入に切り替えたりします。

患者A

目の上の注入は難しいってネットでよく見ていましたが、詳細を聞いたらもっと難しそうに感じました。

医師

自分でいうのもアレですが、技術と経験の差が出やすいところではあると思います。

患者A

なんか前回の注入が1週間でなくなってしまって、同じことになったらどうしようって心配していたんですけど、これならお任せしたいと思います。よろしくお願いします。

目の上のヒアルロン酸注入がすぐなくなる!?

 目の上のヒアルロン酸注入を他院で相談したあと、満足できなくて当院に来院される方のパターンで多いものを順にあげると

「断られた」

「あまり変化がなかった」

「デコボコした」

「ほかの手術を勧められた」

などでしょうか。圧倒的に多いのは「断られた」ですが、「変化がなかった」もそれなりに多いです。今回はこのテーマでお伝えします。結論からいうと、ヒアルロン酸の種類ではなく、注入部位と注入の仕方が効果とその持続を左右します。興味がある方は最後までお読みいただけると幸いです。

前提知識の整理

 今回お伝えする内容はかなり込み入っているため、大前提となる知識をいくつか整理することから始めます。これらは、あまり語られなかったり、誤解されたまま放置されていたりするため、このあたりを共通の知識として持っていただかないと、今回のテーマの話はより混乱を深める結果になると思うからです。

   1 ヒアルロン酸はなくならないが効果はなくなる

   2 浅い注入と深い注入の違い

   3 マイクロカニュレと直針の使い分け

くらいでしょうか。ほかにもたくさんありますが、今回のテーマで最重要な3つにとどめます。

   1ヒアルロン酸はなくならないが効果はなくなる

 ヒアルロン酸注入のカウンセリングで最初にこれを言うことが多いのですが、言い回しが禅問答のようなので、「???」となる方が多いです。以前のコラムを再掲しておきますので、興味がある方は是非お読みください。

ヒアルロン酸はどれくらい持続しますか?

 ヒアルロン酸の効果の持続がばらつく部位ごとの原因について、対策とともに解説しています。

前に入れたヒアルロン酸はまだ残っていますか?

 「ヒアルロン酸が分解されやすい体質」という思い込みがおきやすい原因について考察しています。

 結論として、目の上に限らず注入したヒアルロン酸が物質として分解されて無くなっていくということはすごくゆっくり起こります。数か月とかそういう速いペースで起こることはまずないと考えていただいてもいいと思います。ですが、注入の仕方によっては周辺の脂肪組織などに吸収されてしまって、ふくらみが欲しい場所から移動してしまうために効果がなくなってしまう、ということが起こりえます。これは、後述しますが目の上のヒアルロン酸注入においては注入の仕方によって回避できます。

   2浅い注入と深い注入の違い

 目の上に限らず、注入する深さというのは効果やその持続に大きな影響があります。ここでは個別の箇所の要素までは触れませんが、原則として深い注入と浅い注入の使い分けをどうするかをご紹介します。

 簡単に言うと、深い注入は変化が自然です。逆に言うと変化は小さく感じる場合があるため、ごく少量では効果がほとんど見えない場合があります。

 それに対して浅い注入は、ごく少量で分かりやすい変化をします。非常に効果的な注入ができる一方で、ピンポイントで変化が見えるので、わずかな注入のブレが凹凸として見えやすくなります。また、ヒアルロン酸が無色透明であることもあって、目の下などに浅く注入する場合に青く透けた印象になりやすいこともデメリットではあります。

 持続に関しては、注入部位の周辺に、ヒアルロン酸が吸収されるスペースがどのくらい広がっているか、という問題によって変わります。浅いか深いかが単純に効果の持続に直結するわけではありません。目の上の場合には、眼輪筋の表層は閉じたスペースですので、ヒアルロン酸が周辺に浸潤せずにキープされやすく、眼輪筋のROOFや眼窩脂肪の層は注入したヒアルロン酸を吸収してしまいやすいため、効果の持続は読みにくくなります。

3マイクロカニュレと直針の使い分け

 マイクロカニュレとは、先端に刃物がなく丸くなった針のことです。皮下のスペースで針先を動かしても内出血がまず増えないので重宝します。マイクロカニュレは主に皮下脂肪のスペースに注入を均一に入れたいときに使います。鋭針でもできますが、現実的には内出血が増えてしまって、同じクオリティでの注入は不可能です。逆に、深く注入する際に、筋肉や筋膜を通過して、より深い層に注入をする際などは、マイクロカニュレは筋膜を通過しにくいため不適切になります。目の上のヒアルロン酸注入の場合、眼輪筋より表側の薄い薄い皮下脂肪の層にはマイクロカニュレでの注入が適しています。眼輪筋の裏側のROOFおよびさらに眼窩隔膜を超えて深層に分布する眼窩脂肪への注入の場合は、鋭針が適しています。

目の上のヒアルロン酸注入を最適化する

 ここまで前置きがかなり長くなりましたが、目の上のヒアルロン酸注入は、こういった知識をもとに最適化して提供しています。

 まず注入する層についてですが、眼輪筋より表層の浅い層に優先的に注入します。それは、注入後の結果が長く安定しやすいからです。注入されたヒアルロン酸は時間とともに周辺の密度の低い組織(主に皮下脂肪)へ浸潤していきますが、目の上の場合は注入したヒアルロン酸は眼輪筋に阻まれて深い層へ浸潤していくことができないため、注入後の状態を長くキープします。

 深い層への注入は確かに凹凸も出にくいのであまり工夫もなく短時間で注入ができますし、それ自体はメリットとは言えますが、なんせ周辺組織への吸収が起こりやすくて、特に1回目の注入の場合は冒頭の会話のケースのように数日から数週間で効果がなくなったりします。その場合もめげずに注入を続けるという選択もできるかもしれませんが、効果が持続することを目標に目の上のスペースに詰め込んでいくことで血流障害や感染などどんな弊害が起こるか予測も難しいですし、すぐ効果がなくなったと感じた場合にそれを続けていこうとするほど理解の深かった方も過去にいなかったため、個人的に経験もありません。したがって、これからも深い層への注入をメインでご案内することはないと思います。

 そして実際に私は浅い層への注入をメインに行いますが、それはつまり注入ムラがあるとすぐに凹凸になるのでバレますし、そうでなくてもまれに内出血で腫れて注入途中で正確なデザインができなくなることや、帰宅後にヒアルロン酸が水分を吸収してむくみ感がでることがあるなど、理想的な仕上がりを邪魔する様々な不確定要素があるため、治療を受ける方の冷静なご対応が必要になる可能性はゼロではありません。そのため、注入にはマイクロカニュレを必ず使用して凹凸のないようムラなく注入します。また、帰宅後に膨らんでしまうと結果的に入れすぎになってしまうため、1回目の注入はやや控えめにして、再注入の可能性は50%くらい、と考えて最初の治療に臨んでいただくようにお願いしています。

 また、注入量は多くの方で片目0.0.3cc程度ですが、それを超える量を浅い層に注入するとむくみ感が強いと感じていますので、初回の注入であっても0.3ccを超える注入はあえて深い層に注入している場合があります。そういったケースでも、その後の経過ををみながらさらに浅い層または深い層へのリタッチでベストと言える状態を目指します。

 そうして工夫の末に適切に目の上に注入されたヒアルロン酸は、かなり長期にわたって満足頂いていることが多いです。注入後半年から1年以内程度でわずかなリタッチを希望される方を除けば、ボリュームが減ったことで定期的につぎ足し注入をしている方は皆無ですので、安心して受けていただけると思います。

  興味がでたよ、という方はぜひ高澤のカウンセリングにお越しください。

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