Columnコラム

目の下の脂肪取りは再発しやすいですか? 更新日時 2023/11/12 13:57

読む時間の目安 8分~10分

患者A

先生、今日はよろしくお願いします。実は3か月前に違うところで目の下のたるみとりの手術を受けたのですが、すぐに再発してしまって、どうしたらいいか相談したいです。

医師

3か月前の手術ですね。その手術は脂肪取りのほかに脂肪注入や成長因子の注入などを組み合わせたりしましたか?

患者A

いいえ、術前の説明の時に聞いた感じでは、まぶたの裏側から脂肪を取っただけだと思います。結構内出血もあって大変だったんですが、腫れが引いたと思ったころにはもう再発していたような感じでした。

医師

では以前にヒアルロン酸の注入などは受けていらっしゃいますか?

患者A

手術の前に一回だけヒアルロン酸の注入を受けましたが、あまりよくなかったので溶かしてしまいました。それはまた別のクリニックだったんですけど。

医師

なるほど、溶かした後は大体元の感じまで戻りましたか?

患者A

ええ、注入したヒアルロン酸はもうなくなったと思いました。それから別のクリニックに行って手術を受けて、こういう感じです。

医師

なるほど、いろいろご苦労されたんですね。執刀した先生には再発について相談しましたか?

患者A

ええ、それが、相談してみたんですが、以前にヒアルロン酸の注入していたからこれ以上は改善しにくいとかそういう説明でした。先生、どうしたらいいでしょうか。脂肪はまだありそうですよね。

医師

まあ、そうですね。再手術するといいとは思いますが、まずそれが眼窩脂肪の取り残しであることを診察で確認してきましょう。じゃあこの指を見て、頭は動かさないで目で追いかけてください。じゃあ次は、鏡で目の下のふくらみを見ながら目を細めるように力を入れてみてください。はい、そのままキープします。目を細めているときにふくらみが消えたのはわかりますね?はい、力を緩めてください。そうするとふくらみは復活しますね。

患者A

はい、見えました。こんな診察とか今までなかったですが、これで脂肪が残っているかどうかわかるのですか?

医師

そうですね。今見てもらったとおり、筋肉をぎゅっと固めるとふくらみが隠れて、緩めると出てくるので、ふくらみの本体は筋肉の裏側にあるもの、おそらくは眼窩脂肪の可能性が高いということがわかります。次はまぶたを少し引っ張って動かしてみます。皮膚を動かしてもふくらみは全く動かずにそこにある、というのが見てわかりますね。これも眼窩脂肪の特徴です。もしこれが皮膚のたるみなら、皮膚を引っ張ったら伸びて消えるはずですし、注入物の残りだったら皮膚と一緒に動きます。

患者A

なるほど、ちょっと工夫すれば意外と外からみてわかるものなんですね。

医師

そうですね。結論から言うと、眼窩脂肪の取り残しでほぼ間違いないですね。再手術すれば当初の目標は達成できるはずです。まだ術後3か月でしたら、執刀医に頼めば再手術してくれることが多いとは思いますが、どうされますか?

患者A

いえ先生、手術してくださった先生は再手術してもとれないような言い方をなさっていて、なのでもうまた相談するのはちょっとやめておこうと思います。

医師

わかりました。ではもう一度鏡を持っていただいて、今度はなぜこんな風に取り残しが起こったのかを説明します。今仰向けで鏡をみると目の下はどうですか?

患者A

え?あれ?ないですね。仰向けだとなくなりますね。

医師

では起きてみましょう。どうですか?

患者A

やっぱりありますね。この脂肪って動くんですね。

医師

そうです、眼窩脂肪は少しですが動きます。仰向けになると目の奥のほうに移動するので、ふくらみが見えなくなる場合があります。これが取り残しの直接の原因であることが多いです。

患者A

なるほど、仰向けで手術してたら、もうとれたように見えますものね。

医師

その通りです。そして、術直後は麻酔などで腫れていますので、起き上がったときに脂肪が適切にとれているかどうかが分かりにくいです。術後しばらくたって、腫れが引いてくる頃に取り残しに気づくケースが多いのはそういう理由です。

患者A

そうなんですか。じゃあこれは先生にお願いしたらとっていただけますか?

医師

大丈夫です。

患者A

よかった、安心しました。ではよろしくお願いいたします。

目の下の脂肪術後の再発/取り残しについて

 今回のモデルとなる会話のケースでは、他院で脂肪取りをしたけれどもすぐ再発した、というご相談を紹介しました。目の下の術後の相談のパターンとしては、「取りすぎてくぼんでしまった/しわ・たるみが増えた」というものが一番多いのですが、これについては過去のコラムを参考にしてください。

(参考)目の下の脂肪を取りすぎてくぼんだりしませんか?

目の下のふくらみの診察の仕方

 そして、今回のような「すぐ再発した/ふくらみが残っている」パターンの相談も結構ありますし、私自身も執刀医として昔経験したことがありますので、いまでも目の下の脂肪取りの手術時には留意するポイントではあります。

 まずは、再発や取り残しが疑われる場合でも、みている凹凸が本当に眼窩脂肪の再発や取り残しなのか、というところから始めます。紛らわしいものの代表が、皮膚のたるみや、過去の注入物の残りです。ここでは診察で見分ける際のポイントを挙げていきます。

   目線を上下に動かすときのふくらみの変化をみる

 いつも目の下の診察時に最初に行います。目線を上にしたときに眼窩脂肪は前に出てふくらみが強くなるようにみえ、目線を下げると奥に下がっていくためふくらみは小さくなるようにみえます。これが逆に皮膚のたるみであった場合には、上を見るときにピンと張る感じになって下を向くときにたるみが強くなります。

   目を細めるような動作でふくらみの変化をみる

 この診察が最重要ポイントになります。目を細めるような動作で眼輪筋を収縮させて鏡を見てもらいます。目の下の眼輪筋が緩んだ状態で出ていた眼窩脂肪のふくらみは、筋肉が収縮して固くなると出てこれないので平坦になります。併せて涙袋の形を確認してもらいます。手術で脂肪を適切に処理すると、その涙袋の形は自然に現れてきます。一方で観察しているものが皮膚のたるみや過去の注入物によるふくらみの場合は、眼輪筋を収縮したときに目頭側にふくらみが力こぶのように移動します。これが観察された場合は、鏡を見てもらいながら「脂肪の手術をしたあとも、この動いて見えるふくらみは残ります。」とはっきり説明します。

   目の下の皮膚を指で軽く引っ張ってふくらみの変化をみる

 ふくらみを中心に皮膚を引っ張って、ふくらみが動かないなら眼窩脂肪です。ふくらみが消えるなら皮膚のたるみですし、ふくらみが変形しながら移動するなら筋肉より浅いところに残っている注入物などの可能性を一番に考えます。

   仰向けから起き上がってみて、目の下のふくらみの変化をみる

 一部の方は遺伝的に若いころから、一部の方は加齢に伴って、眼窩脂肪を支える組織が緩んで動きやすくなります。眼窩脂肪の動きの強い方は、仰向けになるだけで眼窩脂肪のふくらみは見えなくなってしまいます。この診察は眼窩脂肪とその他の可能性の区別のためにするというより、術前に眼窩脂肪の動きやすさを確認するために行います。術前にこれを観察しておかないと、術中にどの程度まで眼窩脂肪を除去するかの判断が狂ってしまいます。この判断の狂いは直接、会話モデルの相談者のように超早期の再発、言い方を変えれば取り残しという結果につながります。

術後にふくらみが残るときの対応について

 会話モデルのケースの執刀医はおそらく、診察の仕方がわからず取り残しかどうかの確信が持てないのか、取り残しがあってもそれを再手術で除去する自信がないかのどちらかだと思います。なので「そのふくらみはもうそれ以上取れないものだ」と、無理やりな言い訳を考えたように推察します。その他に実際にあった術後の相談のケースとしては、執刀医がまったく診察をしていなかったケースもありましたし、明らかに取り残しなのにそれを頑なに認めなかったというケースも多くありました。

 再発や取り残しが、診察によってほぼ確実なものとわかったのであれば、再手術で除去すると解決します。すべての医師がそのように誠実に対応するのであれば、この会話のような方が当院を訪れることはないはずなのですが、現実にはそうではないようです。

 

 プライム銀座で目の下のご相談をいただく場合には、診察の結論だけを伝えるのではなくなるべくご自身でもその結論を導くことができるように工夫をしています。興味がでたよ、という方はぜひ髙澤のカウンセリングにお越しください。

関連する施術方法

目の下の脂肪とり(経結膜脱脂術)
  • 痛みが少ない
  • 通院なし
  • モニター募集

 目の下の脂肪とり(経結膜脱脂術)は、下のまぶたの裏側をわずかに切開して、余分に突出した眼窩脂肪を切除する手術です。ポッコリとしたふくらみがあるために「影クマ」がひどかったり、涙袋の形がなくなってしま...

料金価格帯の目安 154,000円~

 経結膜眼窩脂肪移動術は、まぶたの裏側で切開して、ふくらみの原因である眼窩脂肪をへこみの部分に移動して縫い付けることで、目の下のふくらみ・へこみによる影クマを強力に改善する方法です。眼窩脂肪を除去しな...

料金価格帯の目安 431,200円~

関連するコラム

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせ

お電話でカウンセリング予約・ご相談
0120-977-278
不定休受付時間:10時~18時半
お電話でカウンセリング予約・ご相談
0120-977-278
不定休 / 受付時間:10時~18時半