Columnコラム

前に入れたヒアルロン酸はまだ残ってますか? 更新日時 2023/11/07 15:00

読む時間の目安 5~8分

患者A

先生今日もお願いします。今日は、ほほとほうれい線あたりに入れていただきたいと思っていますが、どうでしょうか。まだ残ってますか?

医師

ええ、前回注入は1年2か月前ですね。触れるとやや硬さがありますし、まだ残っているように思いますが、効果が物足りなく感じてきましたか?

患者A

先生、実は4か月前に他院で恐縮なんですがすこし入れてもらっていまして、でも少しだったからすぐなくなったのかなと思いまして。

医師

4か月前ですか!?だったら今さらにヒアルロン酸の注入をするのは過剰だと思います。ヒアルロン酸はそんなに早くなくなったりしませんし、そういうペースでの注入は、長い目で見るときれいでいられる寿命を短くする可能性がありますよ。

患者A

そうなんですか、まだ残っているなら注入はまた次回にしようかしら。でも先生、私って早くヒアルロン酸が吸収される体質なんですよね、きっと。

医師

なぜそう思うのですか?

患者A

ほうれい線が気になって、ヒアルロン酸注入したらいい感じなのですが、結構早く減ってくるので、減ったら少しずつ入れてキープしているんです。先生は1年に1回くらいしか入れてくれないので、実は時々他院の先生にお願いしていれてもらったりしてるんです。なので、これは体質だと思っていました。

医師

いえいえ、そういう体質の問題ではないと思いますよ。6年前に注入した涙袋はそのまま残っているじゃないですか。

患者A

ああ、そういえば6年前でしたっけ。そうですね、涙袋はそれ以来入れてないのにずっと残っていますね。じゃあどうして頬とかほうれい線はそんなに減るのかしら。やっぱりそういう体質なんでしょうね。

医師

。。。。。

ヒアルロン酸の分解吸収は実はごくわずかでしかない

 冒頭のような会話は結構日常茶飯事です。プライム銀座に通っていらっしゃる方の中には、自分こそこの会話のモデルじゃないかと思い当たる人もいらっしゃると思いますし、美容クリニックの医師や関係者でこれをお読みいただいているかたがいらっしゃれば、そういうのよくあることだねとか、現実的にはいいお客さんじゃないか、と考えるかたも多いはずです。

 涙袋に入れたヒアルロン酸の残りを頬やほうれい線に入れたことがある人は多いと思います。冒頭の会話のように涙袋のヒアルロン酸はずっと残っているのに、ほうれい線のヒアルロン酸はすぐなくなったように感じているということであれば、それが分解吸収による変化だと考えるのは不自然です。なぜなら涙袋に入れたヒアルロン酸のほうが量は少ないはずなのにそれがずっと残っていて、ほうれい線に入れたヒアルロン酸だけが分解され続けていると考えることになるので、整合性が取れないからです。やはり実は分解吸収されていないと考えるのが、自然な思考だと思います。

 突然ですが、始めて高澤のヒアルロン酸注入のコラムをお読みの方の参考のために、以前のコラムをふたつここに掲載いたします。

1「ヒアルロン酸はどれくらい持続しますか?」

 ヒアルロン酸注入後は、ヒアルロン酸がなくなるのではなくて、脂肪組織内ににじんで広がることで効果がなくなることがあります。どういうときにおこりやすいか、その対策などについてわかりやすく説明しています。

2「ヒアルロン酸が吸収されたら余計にたるみますか?」

 ヒアルロン酸の注入後にたるんだ、という相談をいただく場合のよくある3パターンのケースについて解説しています。特にパターン③について、よく読んでいただくことは大事だと思います。

 これらを読んでいただくと、ヒアルロン酸の効果がなくなるのは分解吸収されるからとは限らない、むしろ注入後1年以内などの早い段階では分解吸収の影響は小さいということの理解がすすむと思います。

「ヒアルロン酸が吸収される」という言葉の本当の意味はなにか

 それでも、「ヒアルロン酸が吸収される」という言葉を使うときに、いかにもヒアルロン酸が生物化学的な作用で分解されて血流に乗って運ばれてきれいさっぱりなくなる、というイメージで解釈されている方が多いな、といつもカウンセリングでお話しするときに思います。ちなみに「ヒアルロン酸が吸収されてなくなる」という言葉自体は、「みんなが考えているよりずっとずっと遅いですが」という補足をつければ厳密にいうとウソでもないので、よく使われます。そして注入後に実際に効果が失われていくのを見て、つじつまが合ってしまうため疑問にも思わず、どうしても「分解吸収されたんだな」と誤解したままでいる方が多いのだと思います。

 やっぱり、「吸収される」という言葉をつかうことが誤解を生む原因だと思います。吸収されるという言葉には、「分解して吸収される」というイメージもあるのですが、なんどもお伝えするように、実際はそうではありません。代わりに、「このタオルは汗をよく吸収します。」と言うときの「吸収する」をイメージしていただくと実際に近いイメージです。さきほどご紹介した1つ目のコラムに出てきた「脂肪組織内ににじんで広がる」と「(脂肪組織内に)吸収される」ほとんど同じ意味です。そういうイメージのもとに、「ヒアルロン酸は(周辺の脂肪組織内に)吸収されて、(効果が)なくなります」というならより正確な理解だと思います。

ヒアルロン酸注入をどのように使うべきか

 ここまで説明したように、ヒアルロン酸は、注入のたびに皮下組織の隙間を埋めるような感じで蓄積していきます。それを前提に、ヒアルロン酸注入を適切に使っていくための目安を考えてみたいと思います。以前のコラムで、ヒアルロン酸注入がチームのエースで、糸リフトがキャプテンだと例えたことがあります。(【糸リフトFAQ】Vol.5 サーマクール・HIFUなどの機械とヒアルロン酸の注入と糸リフトはどれがいいですか?)エースは試合がどの状況でも一気にひっくり返す力をもっている存在で、ヒアルロン酸注入はまさに治療においてそのような働きをします。ですので一度経験した人ほどヒアルロン酸を使いたくなる気持ちが強いことは重々わかります。ですがヒアルロン酸はここまでさんざんお伝えした通り、使うたびに「吸収されて」そこに蓄積していきますので、将来のことを考えると、なるべく少量で済ませる感じにとどめておくほうがいいと思います。

 では、どのくらいまでなら使っても大丈夫なのか、という目安が必要だと思いますので、ざっくりした目安をお伝えします。

 ・同じ個所への注入は、最初の1年目は2回まで、2年目からは1回までにしておく

 こういうルールが簡単で分かりやすいと思います。最初の1年目は2回までとしたのは、最初の注入は周辺組織への「吸収」によって効果がおちたようにみえやすいからです。その効果を補う程度の注入であれば、初年度は2回目の注入(リタッチ)をしてもいいと思います。そうして周辺組織に吸収された最初の注入分は、スペースを埋めるようにして定着します。そこに次の注入が入るときには、すでに吸収するスペースが埋まっているため、注入した直後の状態がキープされやすくなります。その時点で、1年に1回以内のリフィルのプランに移行するのが理想的だと考えます。

 ただしこれはあくまで理解をすすめるために簡略化したルールであって、現実としては、部位ごとにルールにわずかな調整は必要だと思います。ただ、それをここで書いてしまうと、ここまで十分混乱しやすい内容なのにさらに難しくなってしまいますのでここでは割愛します。不完全な内容であることご容赦いただけますようお願いいたします。

 

 興味が出たよという方、より個別のご相談があるという方はぜひ高澤のカウンセリングでご相談いただけますと幸いです。

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